2019 July

 

 
 
 
ようやく香港に出発の朝、気温は更に上がりTVでは熱波のニュースと注意報ば かり。パリの街自体が焼け石のように熱を持ってしまい雨が降らないの で冷め る気配もない。我が家の建物のハバルモンがようやく終わり全ての足場が撤去さ れる。しかし真っ白になったファサードの照り返しは厳し く・・・喜ばしいは ずが恨めしいという皮肉な結果、早く香港に出発したい!

 

 

 
 
さまざまな雑用を終えようやく空港へ。22時近いというのにこの西日、宇宙船 のような搭乗ゲートの中は灼熱の温室・・・。一刻も早く機内に入りた い。

 

 

 
 
久しぶりの香港、空港は拡張の一途で入国審査を待つ通路は果てしなく・・・。 連なる山々と新興のビル郡、グルーミーなお天気がいつになく嬉しい。

 

 

   
 
 
その昔は長蛇の列だった「免費電話」、つまりフリーコール。バッゲージを待つ間友人 や取引先に電話をした懐かしい思い出、今ではシティ・ワイファイとも言 える ネット環境の香港。当然誰も居ない・・・。

 

 

 
 
離発着便数が世界弟3位というのも頷けるベルトコンベアの数・・・、パリ便は 未だアサインさえされず。立体交差の高速道路のようにクロスするブ リッジを 夥しい数の人が行き来する巨大な空間を眺めつつバッゲージを待つ。

 

 

 
 
香港の交通事情はパリよりひどくタクシーに乗ってもいつ着くかわからない。更 に信じられないけれど未だに殆どのタクシーの運転手さんは英語が通じ な い・・・。 市内に入る唯一スムーズな方法であるローカルバスのターミナルに向かう。メイ ンランド(中国本土)行きの高速バスもあり香港が「中華人民共和国香 港特別 行政区」である事を実感する。離発着する飛行機がバスの上ギリギリを飛ぶのも 啓徳空港の「香港アプローチ」を思い出す香港らしい光景。

 

 

 
 
その昔は毎月、多い時は月に数回香港に来ていた私には懐かしいとも言える景色 が広がる。香港は意外にも自然が多く国土の40%が自然公園として保 護区に なっている。狭い土地に切り立った山々と湾、高層ビル群が共存する活気溢れる 香港。冷房が利き過ぎているバスも、我先に降りようとする 「せっかち気質」 も相変らず。

 

 

 
 
こちらも相変わらずの建設ラッシュ。狭い国土に高い人口密度、延々に増え続け る高層住宅・・・。竹の足場も健在!

 

 

   
 
 
香港の街並みを堪能してようやくホームのホテルに到着。ペニンシュラ・ホテル のお隣という便利な立地、メインストリートの活気を眼下に眺めつつ明 日から 始まるミーティングの準備にいそしむ。資料や素材のサンプルを整理したりデザイン のアイディアスケッチを描いたり・・・。

 

 

 
 
香港出張は素材の選定から買い付けまでシビアな決定事項が多いのでなか なかゆっくり出来ない。香港は朝が遅いので朝型の私には唯一のリラッ クスタ イムの早朝、夜が明けたばかりのメインストリートを眺めつつ仕事の資料に目を通す。 日中の喧騒がウソのように静かな朝・・・。

 

 

 
 
初日の買い付けもミーティングもまずまず。香港出張の憩い、ペニンシュラホテ ルのロビーカフェで今日の資料を整理する。香港はイギリス領だったの で紅茶 の美味しさは格別、濃いミルクティーとスコーンでようやくほっと一息。

 

 

 
 
友人のA嬢は香港人でありながら1997年の中国返還より前に生まれているの でイギリス国籍も持つダブルナショナリティー、英語と香港の公用語で ある広 東語はもちろん、メインランド(中国本土)の公用語マンダリンも堪能という事 でBBCやCCTVのコーディネーターとして大活躍している。 今晩はペニン シュラホテルの生演奏を撮影するので来ない?と素敵なお誘い。再会を喜びつつ 楽屋でお喋り、ロビーカフェを上から眺めるのも貴重な体 験。

 

 

   
 
 
 
かつての香港はトラムの架線ギリギリまでせり出している看板が重なるように並 ぶ夜景が一つの名物でもあり、イギリス統治下の面影を残す2階建てバ スにぶ つかりそうなスレスレ感は啓徳空港の高層ビル群の中をアクロバティックに飛行 して着陸する「香港アプローチ」にも似た感覚だった。今では派 手なネオンも せり出した看板もすっかり姿を消し何だか少し寂しい。

 

 

   
 
 
香港出張は素材のことで頭がいっぱい、ということもあり出来る限り夜はホテル で静かに過ごしたい。取引先や友人とのディナーも楽しいけれど大変な 喧騒の 中、深夜まで広東料理を頂くのはなかなかヘビー。夜明け前に目覚めハーブ ティーとサラダ、フルーツの朝食。こんな静かなスタートが喧騒の香 港出張で は大切な時間。

 

 

 
 
 
ホテルのあるメインストリート、ネイザンロードは九龍地区の中心。まだまだ新 しい高層ビルが建つらしく窓から見える現場はなかなか興味深い。さま ざまな 軽金属が開発されても「竹の足場」に勝るモノはないのかもしれない。

 

 

   
 
 
朝の遅い香港で唯一9時に開いている銀行、以前なら大変な行列が出来ていたけ れど・・・。殆どの人がインターネットバンキングで店頭に来る必要は なく、 お買い物は電子マネーなので現金も必要ないとか。香港キャッシュレス環境は驚 くほど進んでいる。

 

 

 
 
香港の地下鉄MTRはなかなか便利で早いけれど、折からのデモの情報を受け珍 しくタクシーに乗り香港島サイドの打ち合せに行く。相変わらず香港の タク シーは英語が通じず冷房が利きすぎ、運転の荒っぽさも素晴らしい!穏かな海と そびえる高層ビル群をながめつつ右へ左へと揺れる車内。

 

 

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メインストリートのせり出した看板も姿を消し、MTRの駅はすっかりモダン に。雑多なモノが混在している光景こそ香港の魅力だったのに・・・、と 思う のは私だけではないはず。巨大なモスクをバックに東京にもありそうなガラス張 りの駅、ネイサンロードの景色も変わって行く。

 

 

 
 
ようやく全ての仕事を終えて空港へ。ライトアップの機材もありテレビ対応だろ うか?唯一のお買い物タイムの空港、東京とは少し違う品揃えの無印良 品も楽 しい。

 

 

 
 
かつては長蛇の列であった出国審査も今では全て無人の顔認証自動ゲート、搭乗 ゲートが530まである事にも驚くけれどこの巨大空港こそ自動ゲート は必須 なのかも知れない。中国人が揃って自前のポットにお茶用のお湯を貰う光景はパ リでも見かけるけれど、「熱飲用水」のインフォメーションにも 驚く。

 

 

 
 
ようやくゲートに着くとスカイチームのラウンジ、ヨーロッパの新聞や雑誌が何 だか嬉しい。メインランド(中国本土)行きの便が延々とアサインされ ている ゲートには見たことのないキャリアの飛行機が所狭しと並び次々に離陸す る・・・、香港は中国へのゲートウェイである事を実感する光景。

 

 

 
 
 
5時間のフライトで羽田に到着、長い長い通路を延々に歩く。空港自体は小さい のにこんなに歩く空港は他にあるだろうか?香港空港は巨大な割りに歩 かな い・・・、空港の設計や「動線」の重要さを改めて思う。某スポーツ選手を待ち 構える報道陣のカメラのフラッシュが眩しい!

 

 

 
 
香港から帰国するとパリの暑さが遠く感じられる。東京はまだまだ梅雨、グルー ミーなお天気も落ち着くもの。ワタリウム美術館に展覧会を見に行く。 ブック ショップで静かに本を選ぶ至福の時間、香港の喧騒も遠くなる・・・。

 

 

 
 
今月は会社の決算、今年は毎月かなりきちんと整理してきたので昨年までの大混 乱とはだいぶ違い既に最終チェックの体制。税理士の先生に励まされ何 とかこ こまでやって来られた事に感謝、事務所に広がる書類がタピストリーのように見 える。

 

 

 
 
 
再びアトリエのガレージセール。溢れるモノ達を前にジャーナリストの友人が仕 事を辞めて身一つでハワイに単身渡ったことを思い出す。「撮影で沢山 のモノ を扱って、もういいかな・・・って思ったのです」と言うコメントが蘇る。

 

 

 
 
 
モードの売り場の中にカフェがある某デパート、打ち合わせの帰りについ立ち 寄ってしまう。フランス人のモード関係者が東京でイチバン好きな場所と いう のも頷ける。取材の帰りだというジャーナリストの友人に偶然お会いしひとしき り近況などお喋り、やっぱり彼女もつい立ち寄ってしまったとか。

 

 

   
 
 
パリではなかなか泳ぐ機会がないので東京に居る時はなるべくプールに行きた い。オフィスビルの中にある静かなプールでひたすら泳ぐ・・・。直後に 打ち 合わせに行かれるのも東京ならでは。静かな水の中、気持ちまで浄化されるよう。

 

 

 
 
 
久しぶりに友人をお招きし我が家でディナーの今晩。有機栽培のお野菜を中心に 各自がお好みでトッピングして頂くスタイル、アレルギーのある友人も ダイ エット中の友人も楽しくテーブルを囲む。コレクションのバックヤードのビュッ フェのようだけれど、こんなおもてなしが気軽でイチバン。

 

 

 
 
東京は例年似ない長い梅雨、延々と雨が降っている。久しぶりの軽井沢も大雨、 鬱蒼と茂る木々に霧が立ち込め何とも幻想的・・・。

 

 

   
 
 
書き仕事もはかどりゆっくり休んだ軽井沢。濃い霧にすっぽり包まれた駅のホー ム、魔法のように新幹線が現れる。

 

 

   
 
 
パリー東京ー軽井沢と3箇所で生活している私はワードローブも全天候型がベー シック。移動の際にかさばるブーツやサンダルは同じ型で数足ずつ持っ てい る。シーズンの初めに全て点検して底張りに出すもの、ヒールのケアなどのメン テナンス。ワードローブの整理と同じく持っているシューズ類をき ちんと把握 する良い機会。

 

 

   
 
 
行き交う人々で圧倒されそうな週日とは違い人っ子ひとり居ない週末の丸の内。 いつもの打ち合わせカフェもビルごとクローズ、皆で途方に暮れる。 パーキン グも全てクローズで往来する車も少なく・・・お盆の東京かゴーストタウンのよ う。

 

 

 
 
再び来る日も来る日も・・・、延々と写真の整理とパネルの制作。年代順に並べ カテゴリー別に分ける、が基本でもどうしても当てはまらない写真もあ る。 こうして「複雑な事を一つ一つ辛抱強く紐解くように整理して行くこと」は意 外に得意、パリの生活もこうして構築してきたのでは?と思う深 夜のアトリエ。

 

 

 
 
 
選挙の投票所は我が家の目の前、早朝から続々と投票に向かう人々・・・。私も 日本で投票できる意義を少し感じつつ投票に行く。

 

 

   
 
 
ようやく復活しつつあるテニス。何とか再開したいとお仲間に入れて頂いてから 2年、何度もくじけそうになりながらも「とにかく続けること」と自分 に言い 聞かせてここまで来た。ラケットも新調しストロークもほぼ安定、サーヴィスと ボレーが今後の課題・・・。

 

 

   
 
 
東京に居るとコンビニやドラッグストアのイートインスペースの充実ぶりに感動 する。コンセントはもちろん、コピー機や銀行のATMまで揃っていて フラン ス人が感激するのもよくわかる。更にオリジナルのドリンクやスィーツもカフェ 並みの品揃え、パリにあったら毎日通ってしまいそう。

 

 

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メトロから直結しているオフィスビル自体がパリには殆どないけれど、カフェで もないホテルでもないロビーのようなフリースペース。打ち合わせには 本当に 便利、地上にも上がらずカフェにも入らず・・・。小さな石庭まであってフランス人もびっくり!何もかもが本当に合理的な東 京ライフ。

 

 

   
 
 
パリに着いた数週間後に出会った今では大親友のM嬢、21歳と22歳の私達は 毎日姉妹の様に過ごしていた眩しい日々。お互いが夢を叶え今もこうして一緒に居られ る事に感謝しつつ本の取材は進む。30年前の懐かしいシーンが走馬灯のように 思い出され「こんな事あったでしょう?」「あった、あった!」と ロードムー ビーのような私達。

 

 

   
 
 
最近すっかり復活した水泳、早朝の誰も居ないプールへ。子供の頃は10キロ遠 泳のリーダーをしていた懐かしい夏の海、当時の私は泳ぐ方が歩くより 楽だっ たという不思議な記憶が蘇る。今は「静かに美しく泳ぐ」がテーマ、泳ぎ過ぎな いように気をつける。

 

 

   
 
 
アトリエのガレージセールも終盤、夜のギャラリーはピーターラビットに出てく る小間物屋さんのようで何とも楽しい。

 

 

 
 
 
今年の梅雨はさまざまに「観測史上初」を記録、日照時間も少なく本当に雨ばか りだった。久しぶりの太陽は眩しく、軽井沢に向かう新幹線の車窓も爽 やかな 青空が広がる。我が家のテラスも本当に久しぶり、木々に残る雨露に木漏れ日が 光る。

 

 

   
 
 
7月は私がパリや香港に居たということもあるけれど、雨ばかりでシーズン到来 と言う気分でもなく・・・。夏イチバンのお客様は教会のオルガニスト J嬢。 ご両親様の代からの長いお付き合い、楽しかった教会学校の夏休みが蘇る。軽井 沢らしくシンプルンサンドイッチとサラダのシンプルなランチ、 最近は軽井沢 も暑くて直前まで冷蔵庫に入れておく。

 

 

 
 
友人と再会を喜びつつお喋り、あっという間に時間が過ぎる。夕方の新幹線で帰 京すると東京もようやく夏本番で暑い。写真家御夫妻のお宅拝見に初め ての月 島へ。細い路地の奥にこんな神社が・・・

 

 

 
 
 
日本情緒たっぷりの小さな神社や隅田川、その向こうには高層ビル群・・・。初 めて来たウォーターフロントはなかなか興味深い。

 

 

 
 
お寺の境内を通り抜け佃の町を歩く。東京の真ん中とは思えない静かさ、そして 蚊・・・。

 

 

 
 
 
ライトアップされた御神輿の格納庫、お祭りの時はここから出陣とか。

 

 

   
 
 
住宅街に今も残る元祖「佃煮」屋さん。パリに居るとお土産によく頂く佃煮、こ の街が発祥の地と知りぜひ味わってみたい。

 

 

 
 
 
楽しかった初めての月島、ウォーターフロントクルーズの終着点は写真家御夫妻 のお宅。隅田川の流れと東京湾の海の匂い、ビル郡の光・・・。東京の 夜を満 喫する。

 

 

   
 
 
 
写真家の友人が撮影したばかりと言うシネマコンプレックス、グランドシネマサンシャイ ンを見学に行く。国内最大のスクリーンを持つ「IMAXレーザー/GTテクノロ ジー」のシ アターと日本初上陸となる「4DX with ScreenX」のシアター、どちらもあま りよくわからないけれど・・・。ロビーからしてアメリカの映画館のような「ク ラッパーズダイナー」、ミラーボール が光りいやが上にも期待は増す、いよいよ 階上へ。

 

 

 
 
 
 
エスカレーターを上がるとその視覚的効果は想像を超えて素晴らしく・・・。池 袋は他に高い建物がないので東京が一望できる上、街に映像が映り込み その異 次元の美しさと迫力に圧倒される。

 

 

   
 
 
パリー東京ー軽井沢と3都市で生活している私にとってシーズンはあってない様 なモノ。ブーツとサンダルが常に両方必要・・・、更にサイズが極小の ため外 国で見つけるのはほぼ不可能。かさばるので持って移動するのも難しくサイズが 合って気に入った靴は常に3足、そして傷まないように2足を ルーティーンで 履いて1足は必ずストックに。ユニフォームのようにいつも定番スタイルの私。

 

 

   
 
 
 
毎年3月と4月はお祝い事が続く。その度に頂くブーケ、大粒のバラは早めに吊 るしドライフラワーに。ドライにすると本当に小さくなってしまうので 沢山の 思い出のバラが新しいオブジェに生まれ変わる。いらっしゃる方に「あの時頂い たブーケの・・・」とお話しすると感激して下さる。テーブルの 新しいセン ターピースに。

 

 

 
 
 
diary index 毎年恒例のアトリエのガレージセールもそろそろ終盤、ご近所の方々が喜んで下 されば何より・・・。 page top

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